手取り23万円の何が問題なのか?
若干乗り遅れた感がありますが、NEWS ZEROで取り上げられた手取り23万の石井さん(仮名、33歳男性)がTwitterで話題になってます。
石井さんは平均労働時間が300時間/月で、手取り23万であり、時給換算すると最低賃金とほぼ同等か多少下回る金額になるとのこと。
Twitterのリアクションは大きく2つですね。
1. 手取り23万は高い
自分の方が給料が低い、東京以外ではそのレベルが普通だというつぶやき
・手取り23万って裕福じゃない?
・手取り23万はもらいすぎ
・私は手取り20万以下
2. お金の使い方に対するツッコミ
出費内訳がおかしい(おにぎりしか食べていないという本人の話と4万/月が矛盾する等)やお金の使い方に問題がある(通信費をもっと減らすべき等)というつぶやき
・交際費をもっと削れないか?
・通信費高すぎじゃね?
・お金のまともな使い方がわかってない
私は実際にTVで見ていた訳ではないのですが、この報道で一番重要なのは、
残業120時間(総労働時間300時間)をしてのに手取りが23万円しかない
ということであり、
時給換算すると最低賃金を下回る
ということです。
最低賃金の問題は純粋な手取り金額だけでは議論できず、労働時間も含めて議論しなければいけないです。
手取り23万は、月給で見れば最低レベルではないが、労働時間を考慮すれば最低賃金以下であり問題である。
ということです。
更にこの人の場合、月の残業が100時間を超えている上に残業代も払われていないようなので、これが事実であれば完全な法律違反です。
(労働基準法119条1号)
会社は、従業員に残業させた場合、通常の時給にに「1.25倍」の割増率をかけた残業代を支払わなければならない。
また、会社は、従業員に休日労働させた場合、通常の時給に「1.35倍」の割増率をかけた残業代を支払わなければならない。
それにも関わらず、23万は高いとか、お金の使い方が悪いからお金が貯まらないんだというようなつぶやきが多いことに非常に驚きました。
23万より手取りが少ないのであれば、これをきっかけに自分の待遇向上を訴えていけばいいのになー。
お金の使い方についても、税金が財源になっている生活保護なら批判するのもわかりますが、本人が稼いだお金なので人がとやかくいうことではないかなと。
勿論、働くチャンスすら得られない(あるいはあまり長時間働けない)方もいるので、それはそれで取り上げるべき問題だと思いますが、月300時間の労働して、23万しか貰えないと心身ともに厳しいと思うので、是非解決に向けて動いていただければと思いました。
みなさま、よい週末を!